ある日あるとき、ふっと心にほのかな光が舞い降りた。
「縦割りで組み分けをする行事があったと考えろ」
思わず身も乗り出すという大発見。
しかし主将は失礼にも、うお、と低く呻いて島崎が乗り出したぶんだけ身をひいた。
「我が校にチーム縦割りの行事があったと仮定しろ」
「縦割りぃ…?つか口調きもいぞおまえ」
いつもならば、きもいなどと言うほうがきもいのだと言い返すところだが、今日のところは聞き流す。
「俺は6組でおまえも6組だ。そして、まあここは仮にレギュラーで考えろ。レギュラーん中で6組の後輩は誰だかわかるか」
「あー…おまえの言いたいことは、わかった」
「ほんとにわかってんのかおまえは!迅だけだぞ!準太も利央もいない、迅だけなんだぞ!あのよいこナンバーワンの迅だけ!なんて平穏!夢のようだ!なあ和己!」
「そしたら山ちゃんと本やんのとこに準太と利央だなあ」
「そんな波乱の塊みたいな事実は聞きたくない」
想像の自チームの平穏さよりも、乗り込んでくるであろう奴らのもたらす騒動が今にも我が身に降りかかりそうなこの予感。
耳にすべりこんでくるこの聞きなれすぎた声よどうか空耳であれ。
気づいたときのわたしの衝撃ったらない。
自分の仮定にはしゃぐ島崎17歳。
後輩のクラスを覚えているのは愛ゆえだ。
自分の仮定にはしゃぐ島崎17歳。
後輩のクラスを覚えているのは愛ゆえだ。
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